ペニスの構造(基礎知識)

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海綿体とは?

海綿体(かいめんたい)は、スポンジのような勃起組織です。男性の陰茎が勃起すると、陰茎海綿体の大部分が血液で満たされます。同様に、女性の陰核(クリトリス)にも、この機能と構造を持つものがあります。英語では、Corpus Cavernosum(複数形はCorpora Cavernosa)と呼ばれ、空洞状の組織集合を意味します。

陰茎海綿体とは?

陰茎海綿体は、陰茎の背側に位置する左右一対の棒状の組織です。これらは白膜と呼ばれる頑丈な結合組織の被膜に覆われており、勃起に関与しています。

亀頭とは?

陰茎の先端の亀の頭に似た部分を亀頭といいます。尿道海綿体が亀頭の内面を形成し、勃起時には陰茎海綿体とは異なり硬くなりません。そのため、性交時の衝撃を吸収し、クッションのような役割を果たしています。亀頭の先端部分には尿道の開口部があります。また、亀頭は包皮に包まれていますが、勃起すると包皮は後退し、亀頭が露出します。亀頭が露出しない状態を包茎と言います。

包皮とは?

陰茎を覆っている皮膚のことで、外側から見える皮膚の外板と呼ばれるパーツ、ペニスの先端で内側に折り返している内板と呼ばれるパーツからなり、幼児期はこの折り返しの【包皮口】が狭くなっています。そして、陰茎の成長過程において亀頭が露出せず、亀頭が包皮に覆われている状態を「包茎」と呼びます。
包茎には主に3つの種類があり【真性包茎】は包皮が亀頭まで完全に覆っている状態のことを指し、【仮性包茎】は通常時や手など使わずに亀頭まで包皮が被ってい状態を指し、【カントン包茎】は包皮の先端の口が狭いため、無理に剥こうとした場合や勃起時に亀頭への締め付けが起こる包茎を指します。

恥骨とは?

骨盤の前部に位置する三角形の骨のことで恥骨は左右に2つあり、接合部を恥骨結合といいます。
個人差はありますが、恥骨は長さ約5〜7cmで、中央の部分は幅広くなって、おり上部と下部はより細くなっています。 恥骨は他の骨と結合して骨盤を形成しています。
恥骨の主な機能は、骨盤の前部を補強し、体の重量を均等に分散することです。また、恥骨は骨盤内の臓器や筋肉にとって重要な結合点でもあります。
女性の場合、妊娠中や分娩時には恥骨が一時的に緩むことがあります。これは分娩時に胎児の通過を容易にするためのものであり、骨盤内の構造や機能において重要な役割を果たしています。

尿道とは?

道は尿を膀胱から体外に排出する通路であり、男性と女性では構造が異なります。男性の場合、尿道は尿道球(にょうどうきゅう)と呼ばれる部分から始まり、陰茎(いんけい)を通って先端の尿道口から尿が体外へ排出されます。 また排尿以外に性交時にも精子を放出する機能もあります。
女性の場合、尿道は膣の前方に位置し、尿道口から体外へ排出されます。また女性の尿道は短く、尿の排出のみに特化しています。
尿道には尿路感染症や尿道炎のような疾患が発生することがあるため、陰部を清潔に保つことや性感染症に十分注意する必要があります。