包茎とは?

包茎の種類・デメリット・原因などの基礎知識を医師が解説します。

包茎とは?

新生児のペニスの状態
包茎とは、勃起時に亀頭が完全に露出しない状態で、包皮が亀頭を覆っていることを指します。生まれたばかりの赤ん坊は、皆包茎の状態であり、これは包皮が必要な機能を持っているためです。包皮は亀頭を保護し、成長と共に自然に剥けて亀頭を露出させるようになります。一般的には、成人になると包茎は自然に改善されると思われがちですが、日本人の60〜70%は通常、亀頭が包皮に覆われた状態、すなわち仮性包茎とされています。仮性包茎は、性行為に支障がなく、症状も目立たないため、自己判断で治療の必要性を見落とすことが多いです。しかしながら、包皮の先端が細い場合、亀頭や陰茎が締め付けられることがあります。包皮が強く締め付けられる場合、亀頭の血流が悪くなり、変色や痛みを引き起こすことがあり、最悪の場合は緊急手術が必要になることもあります。また、包茎の種類によっては衛生的な問題や排尿障害、通常の性行為ができない、悪臭を放ちペニスのニオイが臭くなるなど、見た目的にも機能的にも多くの問題が生じることがあります。

包茎の基礎知識

包茎の症状

多くの方が自分だけが包茎であると悩むことがあるかもしれませんが、実際には日本人男性の70%が包茎であると言われています。包茎の症状には、仮性包茎、カントン包茎、真性包茎の3種類があります。自分がどのタイプかを把握することが大切であり、早期に適切な治療を受ける必要がある場合があります。

仮性包茎

仮性包茎

皮は被っているが手で簡単に剥ける。軽症の場合は痛みなどの症状はない

カントン包茎

カントン包茎

リンパ浮腫など早急な治療を要する症状である場合が多い

真性包茎

真性包茎

包皮口が非常に狭く、亀頭と包皮の癒着が見られる症状が多い

包茎の原因

包茎は、陰茎を包む包皮と陰茎の出口である“包皮口”が狭いことによって引き起こされます。 包皮口が狭くなる原因の多くは生まれつきのものですが、亀頭包皮炎などを繰り返すことによる瘢痕化による組織の拘縮が原因になることがあります。特に、仮性包茎は亀頭と包皮の間にあかなどがたまって不潔な状態になりやすいため、亀頭包皮炎を発症しやすく、発症を繰り返していくうちに真性包茎のような状態になるケースもあります。

包茎のデメリット

仮性包茎のデメリット

仮性包茎のデメリット
見た目
早漏
不潔
性病

仮性包茎は、平常時・勃起時共に、難なく皮を剥くことができ、痛みが伴いません。仮性包茎は見た目が悪いだけでなく、垢が溜まり不潔になりやすく悪臭を放ちペニスが臭うなど不衛生になりがちです。さらに仮性は痒みや性病になる場合もあります。

カントン包茎のデメリット

カントン包茎のデメリット
見た目
裂傷
不潔
性病

カントン包茎は、ペニスの先の皮が狭く亀頭や陰茎を締め付ける包茎タイプです。カントン包茎をそのまま放っておくと亀頭の下が膨れ上がり最悪の場合亀頭が壊死する場合もあります。カントン包茎には早めの治療が必要です。

真性包茎のデメリット

真性包茎のデメリット
見た目
短小
不潔
性病

真性包茎は、平常時も勃起時も亀頭が皮にすっぽり隠れています。皮と亀頭が癒着し剥くことができないのが真性包茎です。包茎の中でも重症な状態の真性は見た目の悪さだけでなく、性機能の問題、ペニスから変な匂いがするなど様々な病気のリスクもあります。

包茎を治す必要性

仮性包茎

治療をしなくてもよいという考え方もあるのが仮性包茎です。しかし「見た目を良くしたい」「衛生的に保ちたい」「悪臭を防ぎたい」などのメリットを考え、治療に踏み切る方が多くいらっしゃいます。

カントン包茎

治療しないでカントン包茎を放置すると、取り返しのつかない状態に陥ってしまう恐れがあります。カントン包茎は平常時と勃起時の陰茎の太さのギャップにペニスの先の皮の伸縮が追いつかない為、皮が亀頭を強く締め付け、十分に血液が流れなくなります。これを放置するとカリ首がドーナツ状に腫れ上がり手術が必要になり、更に放置すしてしまうと亀頭へ十分に血液が流れなくなり亀頭が壊死してしまい男性機能を失ってしまいます。カントン包茎は早期の治療・手術が必要です。お早めにご相談ください。

真性包茎

包茎の中でも重症な状態が真性包茎です。常に不衛生な状態のため、様々な病気を引き起こす場合があります。陰茎ガン発生率の上昇に加え、亀頭包皮炎の発症、自分が感染症などの状態での性行為で女性の不妊症や子宮頸がんを引き起こす原因にもなります。真性包茎は早期の治療・手術が必要です。

包茎の種類

仮性包茎

仮性包茎

通常時に亀頭が包皮に覆われており、勃起時に皮が剥けて亀頭が露出する状態を仮性包茎といいます。しかし勃起力だけで亀頭が全て露出できず、すべて露出させるには手で剥かなければなりません。

目立った症状がないため、特に治療を行わないケースがほとんどです。
しかし、通常時に包皮が被った状態で、衛生状態が悪いと、悪臭やかゆみが出て赤く腫れるケースもあります。特に糖尿病の患者さまでは、包皮の先端部分のアカギレや包皮炎を繰り返すことで皮膚が硬直、包皮の口が狭くなってきたりしてカントン包茎や真性包茎に悪化するケースも多く見られます。

カントン包茎

カントン包茎

「カントン包茎」は、仮性包茎の一種であり、包皮の先端の口の部分が細く、勃起時に亀頭を露出させることが困難なため、陰茎を締め付けて痛みや血流障害を引き起こす可能性があります。このような仮性包茎の一種を「カントン包茎」と呼び、仮性包茎と真正包茎の中間的な状態と表現できます。
通常は包皮を手で剥くことができますが、勃起時に包皮の先端の口が亀頭の下に嵌まり込むことで、陰茎を締め付けて痛みや血流障害を引き起こす可能性がある点にも注意が必要です。また、性交によって炎症を起こしやすいという点も留意しておく必要があります。嵌まり込んだ状態のことを「嵌頓」と呼びますが、嵌頓を起こす可能性のある包茎も「カントン包茎」として扱われます。また、自分では「仮性包茎」だとおもっていたが、診察したら「カントン包茎」だった、というケースも多数見受けられます。ご自身が何包茎か?どの包茎か?少しでも疑問がある場合、まずはお気軽に当院にご相談ください。

真性包茎

真性包茎

亀頭が全く露出しない、もしくは亀頭の先端が僅かしか露出せず、包皮の先端の口が狭いために包皮を剥くことが難しい状態を真性包茎と呼びます。

この状態では、ごみがたまりやすく、尿中のカルシウムが蓄積され、亀頭と包皮の間に尿石が形成されることがしばしばあります。また、痛みやかゆみが生じることもあります。性交も困難なため、真性包茎は速やかに治療する必要があります。